ぼたん鍋の会
少し前になるのですが、町役場のIさんを招いて、うちでささやかなぼたん鍋の会をしました。
きれいなぼたんでしょ( ̄▽ ̄)
これ、Iさんからいただいた100キロ級のイノシシ肉です。
なぜ「ぼたん鍋」と言う?
馬の桜肉に対して、イノシシを牡丹という文化があったようです。これも元を正せば、縁起の良い取り合わせとして、
「唐獅子に牡丹」
が近世に流行しており、この「しし」を「猪(しし)」とかけて、牡丹を猪肉の異名としたという説。
また、「ぼたん」という名の由来は、いのししの肉を煮こむと脂身がちぢれて、牡丹の花のようになるという説。
また、いのししの肉を大皿に並べると、鮮やかな肉のいろどりが、牡丹の花のようだからという説があるようです。
まさにこの写真の通りですよね(^-^)v元々良質なイノシシ肉だったこと、店主の包丁さばきあってのことですかねえ。
みそ仕立てで、しょうゆと砂糖でやや甘辛く味付け。
お肉には山椒も振ってあります。
すき焼きのように卵を絡めていただくのも美味でした( ̄▽ ̄)
さてさて、役所勤めのIさんが、猪を持って来てくださった理由には私たちが住む町の害獣事情が深く関わっています。
里山の害獣被害問題
ご存じですか?
農水省の発表によると、令和2年の国内におけるイノシシやシカをはじめとする野生鳥獣による農作物被害は
約161億円
にものぼるとされています。
これは私たちが住んでいる町でも同じで、この被害により農家さんの営農意欲の減退にもつながり、日本の農業を脅かしていると言えます。
以前、このブログ内で最近茂庵店主と私が狩猟免許をとったことに触れましたが、いつも良くしてくれるこの町の農家さんが農作物の害獣被害に悩んでおられたことが、免許取得のきっかけになっています。
今年のビッグチャレンジ
もう12月も半ばになり、年の瀬ですねえ。皆さんにとって、今年はどんな年でしたか?私たちにとって、今年は一つチャレンジを始めたことがあります。それは… 狩猟免許をと…
今回、ぼたん鍋の会にお誘いした役所勤めのIさんも私たちと同じく昨年、狩猟免許を取得されました。
公務員なのに、狩猟免許?
最初、私そう思ったんですよ。でも、Iさんの免許取得の理由は切実なものです。
イノシシやシカが農作地だけでなく、人や家に危害を加えるような事例も生じており、役所に通報が来るらしいです…
もちろん、土日祝日関係なく…
今まで私、定時で終わって安定なお仕事、公務員バンザイ!って思っていました…(^-^;すみませんでした。
狩猟免許を取得し、自治体から害獣駆除員の任命を受けた者(私たちもそうです。)は、このような通報に対して対応をする役目を担います。
つまり、猟友会の方々が猟期(11月〜3月と定められています)に狩猟をするだけでは全く害獣駆除は追いついておらず、害獣駆除員に公務員の方々がならざるを得ないほど、害獣被害が深刻なんですよね。。。この現状には私、おどろきました。
そして、捕獲したイノシシやシカのお肉は自宅使用するしかないのが、今のこの町の現状です。これは保健所の許可等の問題…
処理しきれない肉は処分されている現実があります。
こんなにきれいな、天然由来の、良質なたんぱく質、ヘルシージビエ。
食料廃棄問題、食糧不足問題、SDGs、持続可能な…云々と叫ばれている昨今。
これをうまく多くの人たちの食卓にお届けできていない現状をもどかしく思います。
どげんかせんといかん!
と、語り合いながらの、おいしいぼたん鍋の会でした。