茂庵より、冬の贈り物

ハム

今年もお世話になった方々に店主が手作りハムを仕込んで、プレゼントしました。

無着色、無香料、保存料不使用の完全無添加です。

いつもお世話になっている方、大切なあの子たちにはやはり、体にいいものを食べてもらいたい。

料理人とは、最終的にはそのような思考に辿り着くようです。

早速、送らせていただいた方より

こんなに風味のいいハムは、初めて食べた!

とってもおいしかったよ!

すごく上品なお味!

と、嬉しい声をいただきました。

手作りロースハムの製造工程

  • 1日塩漬けして余分な水分を出し、洗う。
  • ソミュール液(漬け込み液: 塩、砂糖、スパイス類、赤ワイン、茂庵のかえし)は30分煮立たせた後、1日休ませる。
  • ソミュール液に肉を漬け込む。均一に浸かるよう毎日上下入れ替えながら5日間
  • 真水に入れて12−18時間置いて、塩抜きする。
    この時少し味見して、ほんのり味がする程度がベスト。
  • 1日から1日半、外で外気に触れさせ、乾燥させる。(この工程があるので寒い時期にしか作れません。)
  • ヒモで縛って燻煙。今回はピート材(使い古したウイスキー樽材から作った燻煙チップ)とくるみのチップでまず1回目の燻煙をし、その後、サクラのチップで2回工程で燻煙し、上品な香りをまとわせました。
  • 燻煙の後、真空パックして1日おく。
  • ボイル。60℃をキープして1時間半、低温調理する。
  • 1日寝かして、お渡しです!

最終的に3週間ほどかけて完成させた、店主の力作です。

なかなか収束しない流行病のために、最近お会いできていない方々へ、こころばかりの年末のごあいさつでした😊

*ハムや、ソーセージは、特別な免許がいる為、このハムは、販売用では無くあくまで趣味で作っている物なので、購入希望されても、販売する事はできません。

【後半はクラシック徒然草に続きます】

クラシック徒然草
ベートーヴェン作曲 交響曲第九番「合唱つき」

年末といえばこの「第九」を思いつく方も多いのでは?今回はこの定番第九をもとに少し掘り下げてみようかなと思います。

今回は一風変わったオーケストラをご紹介。

Concentus Musicus Wien(コンツェントゥス ムジクス ウィーン)

このオケに私が出会ったのは全く偶然。5年ほど前に、ウィーン一人旅をしたのですが、旅の日程にちょうどよく、好きな曲!てことでたまたまチケットを買ったのが、コンツェントゥス ムジクス ウィーン演奏のベートーヴェン第九のコンサートだったんです。

正直、チケットを取った時は、「あーあ、やっぱりウィーンフィル聴きたかったなあ。チケット取るの難しいなあ。」なんて思ってたんですが、

あなどらないで!コンツェントゥスムジクスを!

なんと!コンツェントゥスムジクスの第九、YouTubeにあるじゃないですかー!!

Andrés Orozco Estrada dirigiert Beethoven Symphonie Nr 9 d Moll op 125 Styriarte Graz 2016

Chor: Arnold Schoenberg Chor Orchester: Concentus Musicus Wien Musikalische Leitung: Andrés Orozco-Estrada

https://www.youtube.com/watch?v=SEsyF29Pgh0

みなさん、お気づきですか?なんか、変な楽器がいっぱいですよね。特に金管楽器に注目です。

ティンパニの隣!なんじゃこのトランペット!金属の管がビヨーン!管だけでピストンなし!
ホルン、やばいぞ!ただ金属の管をぐるぐる巻きにしてるだけじゃないか!
てか、ピストンがないってことは全部唇のみで音程をコントロールしているってこと?!

まさに、超絶技巧!!!

(2楽章のホルンのソロ、動画の24:00くらいからをご確認ください…すごい。神業。)

このオケ、古楽器オーケストラなんです。

このオケの創始者は指揮者でも有名で2016年3月に亡くなったニコラウス・アーノンクール氏。「作曲家に敬意を表し、作曲家が存命していた当時の楽器で演奏すること」をコンセプトにしたオーケストラとのこと。

私、ハッとしました。

確かに、ベートーヴェン大先生が生きていた頃は、今ほど楽器も発達しておらず、今で言うこれらの「古楽器」が、当時としては「最新楽器」でこの第九を演奏していたわけです。

あの天才の頭の中に流れていた音、理想としていた音はこの音なのか?
当時の演奏家たちも、天才の無理難題に応えるために、必死になってこれらの楽器で超絶技巧を駆使しながら応戦していたのだろうか。
そして楽器職人たちも、天才の理想に応えようと試行錯誤しながら楽器を発展させていき、現代の私たちにつながっている。

現代の楽器を使った演奏を聴いて、ベートーヴェン大先生は天国でどう思っているんでしょう。
(と言っても、この第九を完成させたころには、天才は既に聴覚はほぼ失っていた訳で…なんとも神がかった話ですよね。)

古きを温ねて新しきを知る。

とても興味深い、そして感動的な第九でした。一生の思い出です。そして、私とコンツェントゥスムジクスを引き合わせてくれたベートーヴェン大先生に感謝です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。